局地的な雨の降水パターンを瞬時に予測することが可能なGoogleのAIシステムの事例について紹介します。
優れたシステム
GoogleはAIと機械学習を活用することで、現地の天気を迅速に予測したいと考えており、同社の論文とそれに付随するブログ記事で詳しく説明をしています。
このAIシステムは人工衛星の画像を使って「ほぼ瞬時に」高解像度の予測を行うシステムで、研究チームによると従来のモデルより性能が優れているそうです。
また、このシステムはデータ駆動型で物理学に依存をしない気象モデリング手法を採用しており、これは事前に知識を取り入れて学習するのではなく例だけから大気物理学の近似することを学びます。
この機能を支えているのが畳み込みニュートラルネットワークで、これは天候パターンの入力画像を取り込み、それを新しい画像に出力するそうです。
U-Net

Googleの研究者の説明によるとこの畳込みネットワークは、各層が数学演算の集合である一連の層から構成されており、この場合はU-Netと呼ばれています。
U-Netとは、画像のセグメンテーションのためのアルゴリズムであり、本来は医療用に開発されたものだそうです。
今回の事例ではそのシステムを応用し、天候の予測のための画像生成に活用されています。
【考察】システムの応用
近年、局地的な豪雨の被害が増えており事前に予測ができたらと思うことがありますよね。
こういったシステムが日常生活で活用されたら少しでも対策を取ることができて良いのではないかと思います。
また、このAIシステムで活用されている技術は本来であれば医療用として活用するためのものだったそうですが、今回は天候の予測のために使われており、AIシステムの汎用性の高さを感じますね。
今後も益々この技術が進んでいくことに期待しています。
参考:Google’s AI predicts local precipitation patterns ‘instantaneously’
参考:U-Net: Convolutional Networks for Biomedical Image Segmentation