Amazonは、広大な倉庫内での社会的な距離感を保つために、AIを搭載したソリューションに注目したといいます。
従業員間の距離を測定する「ディスタンス・アシスタント」
世界中の企業は、コロナウイルスによる新しい生活スタイルに適応するため、安全にビジネスを継続するため方法を考案することが課題となっています。
Amazonは、AIの専門知識を使って、「ディスタンス・アシスタント」と呼ばれるものを開発しました。これは、最近のスマートフォンによく見られる超音波ToF(Time-of-Flight)センサを使って、AIが従業員間の距離を測定するものです。
AIは背景から人を識別し、50インチのスクリーンに表示することで、従業員は安全な距離を保っているかどうかを素早く確認することができます。
拡張現実技術で距離感を従業員に通知
拡張現実技術も使用されており、各従業員の下に緑か赤の円を重ねて表示します。緑の丸はその従業員が他の人から安全な距離を保っていることを意味し、赤の丸は十分な距離が取れていないことを示しています。
全体のソリューションはローカルで実行され、クラウドへのアクセスを必要としないといいます。アマゾンによると、これまでのところ、ディスタンス・アシスタントは一部の施設にしか導入されていないが、今後数百以上の施設に展開する予定だといいます。
これはウイルスのワクチンが発見されるまでの間、人々の安全を守るための方法であるといえます。
Amazonは、他の企業がコロナウイルスの大流行に適応し、従業員の安全を守るために、このディスタンス・アシスタントをオープンソース化すると述べています。
【考察】ソーシャルディスタンスを守るAIの活用
今できるコロナウイルス対策の一つとして、人と人との距離を保つことが重要であると言われています。
さまざまな施設で、人と人との距離を保つための工夫がなされていますが、頻繁に移動する必要がある倉庫内などでの作業において、常に互いの距離を気にすることは困難です。
AIや拡張現実で距離を測りわかりやすく通知することは、人々の動きをスムーズにし、安全な距離を確実に保つのに有効な手段であると言えます。
参照元:Amazon uses AI-powered displays to enforce social distancing in warehouses