外食チェーン最大手のマクドナルドは2019年3月、人工知能を利用して顧客別にパーソナライゼーションを提供するプラットフォーム開発のダイナミック・イールド(Dynamid Yield)を買収したことを発表しました。
動画は以下より。
AIでメニューの提供を最適化
2011年創業のダイナミック・イールドは、AIを使い利用者ひとり一人に最適な買い物体験をもたらすパーソナライゼーション・ツールを提供している企業です。
マクドナルドがダイナミック・イールドを買収した理由は店内キオスクやドライブスルーにあるデジタルメニューボードを最適・強化するため。天候や時間、店舗の客数や混雑具合、近くで行われているイベント、さらには前年同日の売上データ等のトレンドに応じて、メニューボードに表示するメニューを変更することが可能になります。さらに顧客が購入したメニューに基づいて、おススメの追加メニューも即座に提示するといいます。
今後のさらなる展望

AIによるパーソナリゼーションは、デジタルメニューボードのみではありません。マクドナルドでは、同社のアプリで注文と決済を事前に済ませておくことで混雑時のレジ行列に並ぶことなく商品を受け取れる「モバイルオーダー&ペイ(Mobile Order & Pay)」を行っています。モバイルアプリや会員プログラムを使って顧客をトラッキングしおすすめメニューを提案するなど、個々の顧客に最適な体験を提供することで顧客単価を上げる取り組みをしています。
米マクドナルドは、2018年にドライブスルーでこのテクノロジーのテストを既に開始しており、2019年にドライブスルーにこのAIを組み込み、その後は国際的にも展開していく予定です。さらにAI技術はセルフサービス機器とアプリにも組み込む予定だそうです。昨年この技術をすでに、3万8000店舗でテストしています。
【考察】新しいサービスの形
現在海外の飲食店・大手ファストフード店では、セルフでメニューの選択・決済を行える機器が多く登場しています。AI搭載の機器を用いて人件費の削減ができるだけでなく、最適なメニューの提案をしてくれることで売上のアップにもつながり、メニューに悩む顧客にとってもより便利に店舗を利用することができますね。日本でも近いうちに導入される日が来るかもしれません。