持ち運び可能な小型のデバイスで、簡単に液体が飲むのに適したものか否かを判別できるような電子舌「Hypertaste(ハイパーテイスト)」をIBMが開発しています。
動画は以下より。
「AI電子舌」で液体の識別が可能に
IBMが人工知能(AI)を駆使して液体を分析する装置「Hypertaste」を開発しました。AIを駆使して複雑な液体も素早く識別可能となる、持ち運び可能な「電子舌」です。
「コンビナトリアルセンシング」と呼ばれる技術を使用することで、最小限のハードウェアで高度な液体分析を可能にしています。コンビナトリアルセンシングでは個々のセンサーを異なる化学物質に同時に反応させるような、交差感知型のセンサーアレイを構築することで、分析対象となる液体の持つ特性を識別する模様。
あらゆる液体を瞬時に分析
センサー部分を液体に漬けると、AIアシストセンサーが人間の「味」や「におい」の感覚に似た組み合わせパターンから液体の化学パターンを認識します。
ハイパーテイストは各液体固有の電圧信号をセンサーアレイで記憶し、「オレンジジュースならこの数値」といった具合に、液体ごとに異なる電圧情報を収集することで液体が何かを識別していきます。なお、センサー部分はポリマーベースの交換可能な設計となっているとのこと。
収集されたデータは端末上もしくはクラウド上の訓練された機械学習アルゴリズムで分析されることとなります。機械学習アルゴリズムは液体データベースの中から検査中の液体と最も科学的に類似しているものを判別。
分析結果はモバイルアプリ経由でチェック可能です。なお、概念実証テストの際にはわずか1分足らずで分析結果が出たとのこと。
IBMはハイパーテイストがさまざまな産業で活躍する可能性があるとしており、特に「サプライチェーン」「製造業」「環境」「ライフサイエンス」といった分野での応用に注目している模様です。IBMは湖や川での水質検査、製造業者による原料成分の確認、偽造ワインやウイスキーの識別など、複数の事例を挙げています。
【考察】AI電子舌で液体の調査を安全に
AIセンサーを駆使して、たった1分で液体を判別してくれる電気舌。
持ち運びも可能という利便性も兼ね備えており、医療や環境、犯罪調査など幅広い分野への活用にも期待が持てますね。