グーグルとカリフォルニア大学の研究者が開発した新しいAIシステムは、処方の誤りによる死亡事故を防ぐことができる可能性があるといいます。
医療予測にAIを活用する取り込み
非常に稀ではあるものの、誤った処方箋、また患者の服用中の薬に対して影響のある処方によって、患者は入院や死に至る可能性があります。
研究員のAlvin Rajkomar MD氏と、Google AIのプロダクトマネージャーEyal Oren PhD氏は、医療予測にAIを活用する取り組みを明らかにしました。
AIは、特定のパラメータに基づいて、患者がどのような状態で治療を受けているかを予測することができるといいます。例えば、医師が体温の上昇、発熱、咳のある患者にセフトリアキソンとドキシサイクリンを処方した場合、モデルはこれらを肺炎の治療を受けていると識別することができます。
将来的には、処方されている薬が、患者の現在の状況に対して誤っているとAIが判断する場合があります。
AIへの投薬記録データの活用
「医師、看護師、薬剤師は患者に危害を加えるようなミスはしたくないが、研究によると、入院患者の2%が、生命に関わる重大な、薬関連の事件を経験している。」と研究者は述べています。
また、限られた時間で患者に適切な薬を決定することは複雑であり、医師や薬剤師は、その技術を習得するのに何年もの訓練が必要です。
AIは、10万人以上の入院患者の約300万件の投薬記録を匿名化されたデータセット上で訓練されており、今後も実用化に向けた開発が進められるとのことです。
【考察】安全な医療を保障するAI
医療において、ミスというものは、決してあってはならない重大な課題です。
しかし現実において、処方箋の履歴の管理にはお薬手帳の携帯や、患者の申告が不可欠であり、その中で完璧に安全な医療を行うことは困難な部分もあります。
AIが導入されることで、医師や薬剤師が的確な医療を行えることは、双方にとってのメリットになると言えるでしょう。