てんかんの発作をAIを活用することにより、事前に予測できるシステムを開発している事例について紹介します。
突然の発作
てんかんは脳のニューロンが過剰に電気信号が発生し、痙攣などが突然に起こる病気です。
世界保健機関(WHO)によると、世界中で約5,000万人がてんかんに苦しんでおり、そのうちの70%が薬物で発作をコントロールが可能ですが、残りの30%(1500万人)が発作をコントロールできないそうです。
このてんかんによる突然の発作を予測する新しいAIシステムは、「IEEE Transactions on Biomedical Circuits and Systems」誌に発表された研究によると、脳の活動をマッピングし、発作時に脳内に起こる電気信号を予測するディープラーニングアルゴリズムを利用しているそうです。
そして研究者によるとこのシステムは、発作が起こる約1時間前に99.6%の精度で予測、検知をすることができるそうです。
実用に向けて
このシステムはまだ実用化には時間がかかるそうです。そして実用化に向けての課題や訓練が必要でそのうちの一つがアルゴリズムを処理するためにカスタマイズしたコンピュータチップの開発です。
そのために、患者が快適で且つ、実際に使用することができるサイズ、消費電力、待ち時間など様々な問題を考慮して、アルゴリズムを展開できる効率的なハードウェアの設計に取り組んでいるそうです。
【考察】恐れなくても良い
てんかんの発作が突然起き交通事故を起こしてしまったなど、悲しいニュースをが時折報道されますよね。
てんかんは予測ができないことが多く、病気を患ってしまった方は日常生活でいつ起きてしまうかと怯えて生活していることがあるかもしれません。
そのような方の為に、こういった予測システムが普及する事で、少しでも不安が解消された日常生活を送ることができるのではないでしょうか。
将来、このようなシステムがてんかん患者さんの心と体の支えになるといいですよね。
Researchers Develop AI That Can Predict Seizures Before They Happen