カジノやオンラインゲームの運営者は、利益の最大化から、問題のあるギャンブラーの支援に至るまで、AIを取り入れているといいます。
ゲーム業界の運営管理に活用されるAI
ゲーム業界は効率性を高め、顧客に便利さを提供するために自動化を進めています。現在では、対面とオンラインのカジノやギャンブル業界にAIが適用され、複数のユーザーが異なる場所から同時に同じゲームをプレイすることができるようになるなど、より進歩しているといいます。
LA Progressiveの最近のアカウントによれば、AI導入のその他の利点としては、オンラインギャンブル規制に基づくコンプライアンスを追跡できること、ギャンブルの嗜好に関するデータを収集して予測を可能にすること、顧客にカスタマイズされたサービスを提供できることなどが挙げられるといいます。
カジノとホテルの会社ソルベルデのディレクター、アメリコ・ルレイロ氏は、CasinoBeatsのアカウントで次のように述べています。「私たちが力を入れているのは、顧客体験、つまり勝利体験を増やすことであり、それが収益につながっています。近い将来、オペレーターがAIの助けを借りずに運営を管理することはないと思います」
「私たちの計画は、今後3年間、私たちの業務にAIを導入し、そこから利益を得ることです。これはごく初期の段階です」
スタートアップ企業のRootzは、インターネットゲームの専門家によって2018年に結成されました。「プラットフォームの設計を開始したとき、AIを思考の中心に据えました。」と、Rootzのチーフデータオフィサーであるエドヴィナス・スバシアス氏は述べています。「レコメンドエンジンを行うことで、プレイヤーの回転率や支出を最大5%向上させることができることがわかっています。同時に、AIを適用してボーナスコストやプロモーションの価値を管理することで、プレイヤーの生涯価値を10%から20%、実際の支出の4倍にまで高めることができます。」
スバシアス氏は、人員数の指標でAIのメリットを計算しました。自分の会社の従業員は70人で、300人から500人の従業員を抱える他の会社と同等のオペレーションを行っていると述べています。
ゲーム業界は長年にわたって顧客や市場からデータを収集してきましたが、今ではAIや機械学習を活用してビジネス目標を前進させています。次のステップは、ビッグデータと機械学習を活用することだといいます。
問題のあるギャンブラーを特定するAI
ノルウェーの国営ギャンブル会社であるNorsk Tipping社は、問題のあるギャンブラーを特定するための行動分析をAIを活用してソフトウェア・プロバイダーと共同で行っているといいます。
220万人いるNorsk Tippingの顧客は、本人確認の上アカウントを持っており、ゲームプレイ頻度や獲得賞金を追跡し、必要に応じてプレイ制限を設定できるようになっています。「Norsk Tipping社はギャンブルによる負の結果を防ぐため、問題のあるギャンブルを防ぐためにAIを活用しています。」と、ギャンブル担当アドバイザーであるTanja Sveen氏はNorsk Tipping社のブログで述べています。
Norskは、Playscanという会社のゲーム行動分析ツールを使っています。この分析ツールは、リスクのある賭博パターンを明らかにし、リスク評価のフィードバックを顧客に提供し、予防策を提案することを目的としています。
また、Norsk社は、ギャンブル依存症の顧客をへの電話での警告にAIを使用しているとのことです。電話で顧客はギャンブルへの支出に関する情報を聞くことが出来、その結果、顧客の賭博限度額が減額される結果が出ています。
【考察】カジノ業界の顧客体験を高め、ギャンブルリスクを減少させるAI
顧客の行動を追跡し、分析することを得意とするAIは、カジノ業界の運営管理において大いに活用されています。
日本においても、カジノ誘致の動きや、それに付随するギャンブルの危険性の議論が続いています。
AIを適切に活用すれば、顧客のギャンブル依存のリスクをおさえることができるかもしれません。